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死霊の指先

Skor'zad は円柱の物陰を落ち着かない様子で見つめた。予想通り、彼女は自室に一人で浮かんでいた。こんな夜遅くにバンシーの私室を訪問するのは、正しい選択だったのだろうか。見つかってしまったら、ネクロマンサーが確実に地中へ引きずり戻すことだろう。しかも、彼は自分の思いが報われるかどうかすら分からなかった上、Sidnari 夫人は短気なことで知られていたのだった。

彼女の美貌を一目見るなり、かのゾンビは疑問をかなぐり捨てた。顔に斑点を作るかさぶたや傷によって、 Sidnari のエルフとしての際立つ特徴――生前の姿を思わせる――はより強められていた。すみれ色のほとんど透き通るような肌は、痩身にかき抱かれた死布で慎ましやかに覆われている。足の無いその体は青いエネルギー球に乗って冷たい花崗岩の床から数インチほど浮かんでおり、冷たい肉体は見事なまでに儚さと融合している。Skor'zad は少し気持ちを落ち着け、肉のそげ落ちて秀でた眉から交互に滴ってくる汗と体液とをぬぐった。

彼の存在に気付かぬ様子で、 Sidnari は部屋唯一の窓へと滑り寄り、戦場を眺めた。荒廃がその眼前に広がっていた。数時間前、人間の子供の金切り声が空気をつんざいたが、今は……心地よい死の沈黙が垂れ込めている。

風が彼女の髪を捕らえ、ぽっかりとあいた眼窩のあたりで条虫のようにもつれ合った髪を悪戯に揺らした。Skor'zad は己が色情で身を屈めていたことに気付き、Dark Wailer ―― Sidnari が見ていたかもしれないと恐れ、円柱の後ろに身を潜めた。実際に Sidnari は彼を見ていた――けれど、Skor'zad に恐れる理由は無かった。

「Skor'zad 、待ってたわ。今日はよく戦ったわね」
 彼女は言った。死霊ははにかみながら、かすかにはだけさせた腐敗した右肩に目をやった。
「それじゃ……ご褒美よ。」

<そこから数ページは張り付いているようである。>

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