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熱烈恋愛小説: 青い月

 湖畔で体を休めている男を目指して、曲線美を描く影が尾を引き摺り尻を振りながら水面を渡っていった。彼女が近寄ると男は素早く立ち上がり、見るからに彼女の訪れを喜んでいるようであった。滑らかな尾が誘うように男の腰へ巻き付き、青い腕がその肩に回された。
「あなたみたいな人に会うために、何でわたくしがはるばる足を運ばなければならないのかしらね」
 その声は強い誘惑的な語調を帯びていた。

 光が彼女の姿を照らし出すと男はあからさまにじろじろと眺め、大きく口を歪めて笑いながらそっと彼女を押しやった。

「来なさい!」
 彼女はふざけて怒ったように叫んだ。

 やれやれと困ったように肩をすくめ、男は鞄の中に手を入れて小さなポーチを引っ張り出した。
「俺の可愛い Soola 、良い物を持ってきてあげたよ」
 確信が鋼の毛布のようにその言葉を覆っていた。

 彼女が男の手から小さなバッグをひったくり、期待で目を輝かせながらいそいそと開けると、シトリンのペンダントが現れた。

「まあ…… Marcus 、こんなのよろしかったですのに」

 いつものからかいは男の声から消えていた。
「石の面ひとつひとつが空を照らしている。そして俺の心も。あなたの綺麗な輝きで照らされている」

 Soola は顔をしかめた。
「……そうではなくて。本当にいらないと言っているのよ。わたくし、偶然もっと上質なものが作れましたの」

 初めて――恐らく今までで初めて Marcus は傷ついたようであった。肩はわずかにすぼまり、絶えず口元に浮かんでいた生意気な笑みは端正な顔から消え失せていた。

 Soola は温かな微笑みを浮かべ、口を切った。その目には輝くルーンが現れていた。
「わたくしの『贈り物』でも、あなたのご機嫌は直せないでしょうね」

 にもかかわらず、その言葉は功を奏したようであった。Marcus はレッグプレートを調整しながら、いたずらっぽくニヤリと笑った。
「まあ、天からの贈り物に恵まれてるのは君だけじゃないからね」

 会話が Azeroth の全種族に通じる言語へ変わったのと同時に、沈黙が厳然たる力でもって二人を貫いた。

 刻々と時は過ぎ、文字通り青天の霹靂によって二人の情熱的な会話が中断された。轟音とともに湖面が激しく打ち付けられ、二人は蒸気を浴びた。

「何かあったのか?」
 Marcus が尋ねた。

「いいえ、Marcus 。あなたは素晴らしい第一歩を踏み出したところですわ……」

この続きはエレメントたちによって徹底的にボロボロにされている。

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