Murlocの起源は謎に包まれている。それはMurlocという生き物がAzerothの海辺に現れたのがごく最近であるだけでなく、murlocたちが定命の種族を避け、まれに交流を持ったとしても、意味の分からない言語でしか話さないためである。
この魚人間についてこれまで知られているのは後述の通りである。Murlocはほとんど知能を持たない生物で、部族・村単位で海岸線に集まる。ある例では謎に満ちた海の神々(時にナーガも含む)を崇拝していることが知られており、定命の種族にはほとんど関心を持たないようである。
しかしながら、偵察や拷問あるいは内密にmurlocの信頼を獲得したかして情報を集めたある人物により、いくつかの興味深い詳細が明らかとなった……。
まず、murlocは皆に考えられているほど知能が低くないかもしれない、ということである。murlocたちの陸地への規則的侵略が組織的な取り組みである可能性があることをいくつかの手掛かりが示している。その計画が厳密に彼ら自身の協調によって行われたものかどうかはまだ分かっていない。
また、murloc種族は今まで考えられていたよりももっと古い種族である可能性がある。いくつかの根拠と手掛かりがそれを立証していると思われる。事実、murloc(正確にはmurlocの祖先)はトロルよりも前に存在していたと考えられている。もちろんその古代murlocは海の底に住んでいたため、初期に陸地に住む種族には知られることがなかった。
ここ数年、ナーガが海底の住処から再び姿を現し始め、歴史家はナーガの陸地への移住はmurlocの緩慢な侵略が引き金となった可能性があると推測している。murlocは邪悪な水陸両生の生物ナーガと協調しているのではないかとも考えられている。
しかし、最近の情報収集努力によって明らかにされた最も衝撃的な事実は、底無しの海に潜む悪夢のような脅威はナーガだけではないかもしれないということである。
murlocは暗く澱んだ海底で眠っている(もしくは待機している)深海の怪物の崇拝者か手下である可能性が指摘され、さらに不穏なことに、murlocの出現はその怪物たちの目覚め始めていることを示しているという。
もしもそれが本当ならば、謎に包まれ幾分か軽んじられてきたmurlocは、もっと恐ろしい何者かの先駆けであるのかもしれない。